映画版美鶴考察



美鶴が亘から受け取ったものは、文字通り「生」だと思うのです。
亘と美鶴の願いは同じ「家族を取り戻すこと」だったけれど、その手段として美鶴は「破壊すること」を、亘は「生かすこと」を選択しています。
いくら願いを叶えるためだとはいえ、美鶴の手段は自分を痛めつけるように様々なものを破壊し続けます。
本当は美鶴は自分だけ残ってしまったことがつらかったんじゃないかなと、ちらりと思いました。
妹を取り戻すといいながら、本当は妹と一緒に消えてしまいたかった。だから二人で光になって消えていくとき、あんなに安らいだ表情を浮かべたんじゃないかと。
そんな美鶴に亘が与えたものが、「未来を作り出していくこと」すなわち「生」だと思うのです。
だから、美鶴にとっては亘は「生」の象徴だったらいいな。眩しくて、まだ慣れなくて、火傷しそうに熱いもの。でも焦がれちゃうんです。
そんな考えから、この『太陽の欠片を手に入れた』を書きました。ちょっと描写に性的な匂いがするのは「生=エロス」と掛けたかったからです(笑)
作品内でこういうことを伝えられたらよかったのですが、なにぶん未熟者なものでなかなかうまくいきません。
恋愛感情とかそういうものをぶち抜いて、美鶴にとって亘は失くせないものだったらいいな。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!






06/07/20
香川